レアル・マドリードとアンチェロッティに対する疑問の声
レアル・マドリードがカルロ・アンチェロッティ監督の解任を発表したとき、まるで彼のすべての決断が間違いだったかのように報じられました。起用、戦術、試合中の指揮、選手マネジメント……。そして最近のヘタフェ戦、1-0での勝利を決めたのは、若きトルコ人MF、アルダ・ギュレル(居レール)でした。
しかし、その陰でスペインの有力メディア『Relevo』が、ギュレルの扱いに関する疑問を投げかけています。
ギュレルの奮闘と苦悩:「水汲み役」と化した才能
現在20歳のギュレルは、2024年にトルコのフェネルバフチェからレアルに加入。移籍金は2,000万ユーロでした。中盤の選手として期待された彼ですが、実際の出場機会は限られています。
今季のギュレルは、公式戦37試合に出場し、4ゴール・6アシストという成績を残していますが、リーガにおける出場時間はわずか864分。それも23試合にまたがるものであり、多くの試合で途中出場、時にはベンチすら温める「水汲み役」となっていたのです。
ポジションの誤解?ウインガー扱いから司令塔へ
レアルはこれまで、ギュレルを攻撃的なサイドの選手として扱ってきました。しかし、本来の彼は中盤のゲームメイカータイプ。モドリッチのようにチームを操ることができる選手です。
今回のヘタフェ戦でようやく中盤での出場機会が与えられ、見事に決勝ゴールを決めたことからも、その実力の片鱗がうかがえます。
高層部も不満?アンチェロッティの若手軽視に疑問の声
クラブ上層部はギュレルを高く評価しており、アンチェロッティが彼を起用しないことに不満を抱いていたようです。ギュレル自身も以前、「出場機会が得られないなら移籍も考える」と発言しており、「アンチェロッティが辞めない限り、自分の未来はない」とまで言われていました。
その“クーデター”は一時失敗に終わったものの、現在のように成績が悪化したタイミングでは、あらゆる不満がアンチェロッティに集中しがちです。
スケープゴートにされた名将
欧州制覇の夢が潰え、リーガや国王杯も苦戦している今、クラブとしては責任を取る対象が必要。ギュレルの起用法までもが“監督のミス”としてカウントされる状況は、まさにアンチェロッティがスケープゴートにされている証拠でしょう。
若手起用の是非は、成績が良ければ見逃され、悪ければ責められる。まさにプロフットボール界の常ですが、今回はギュレルの存在が注目を集める結果となっています。
未来の柱へ——ギュレルを手放すな
個人的な意見として、レアル・マドリードはギュレルを手放すべきではありません。まだ20歳という若さで、実際にプレーすれば結果を残せるタイプの選手です。プレースタイルもレアルのシステムに合っており、今後の育成次第では、中盤の中心選手になれる可能性を秘めています。
“皇太子”と呼ばれる彼が、本当に王座を継ぐ日が来るのか。その鍵は、クラブがどれだけ彼に信頼と出場機会を与えるかにかかっています。